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マーケット・ガーデン作戦~2016年最後の採集・我々は南の地の奇跡を見た~②

9/22


午後16時前頃、もう何度も目にしてきた、しかし何度見ても堪らなく愛おしくて興奮を掻き立てる、あの影が見えてきました




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「最大船速!!飛ばせ!!もっとだ!!もっともっと!!エンジンが焼け落ちるまで回せ!!もっともっと!!突っ走れ!!突っ走れ!!あの幽かに見える樹林の樹冠へと向かって突っ走れ!!突っ走れ!!突っ走れ!!今でも思い出すあの喧騒と大打撃へと向かって突っ走れ!!」




Aと合流し、一路は山原へ。少佐のいない山原は初めてですね。しかし、いつもの儀式は済ませておきます



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山原到着。実家のような安心感





そして陽が暮れ、Aにお願いして出撃!!




山原はぼくの方が経験値が高いので、まずはAに教えたもののクワガタが採れなかったという場所へ。実はこの場所ではいつもヒラタやコクワ、そして2014年にマルバネを見ているのです





そしてその場所へ。隅に車を停め、歩いて見ていきます。なんか新鮮な気分……




そして過去にマルバネが採られた木に恒例の挨拶。今年もお世話になります




で、歩を進めると、やはりいつものようにクワガタがいます




鼎「ほら、いた。ヒラタと……コクワのメスかな?」
A「ほんとだ」



夢中でクワガタを拾いますが、ボロボロ落ちてしまい、そこそこ立派なヒラタの雄くらいしか採れず




A「ほんとにいたね」
鼎「ね、いるでしょ。運が良いとマルバネも……」






そう言って先を照らしたのです。そう、先を進むべく、何気なく……














そこに、それはいました。林道の隅。それはこちらにお尻を向けて歩いていました











嗚呼、2014年9月の初めてのマルバネ狙いの林道流し。そこで幾度となく騙されてきたカタツムリや落ち葉とは一発で違うと断言できるもの。黒く光るもの。甲虫の輝き







しかし、ヒラタやその他の甲虫と違う、圧倒的な存在感……その巨体……その正体を、脳がオーバーヒートするのではないかという普段からは絶対に考えられない速度で叩き出す!!













鼎「マルバネだッ!!」











電撃が体を貫いた。弾かれたように前に飛び出し、電池僅かなぼんやりとした灯りの中を意に介した様子もなく歩みを進めるそれに手を伸ばし――2月に突如として決まった「種の保存法指定種」という単語が過り、力なく手を降ろし――しかし、止めることの出来ない衝動が全身を駆け巡り、夜の林道に絶叫した……






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それは咆哮であった。力の限り叫んだ。叫ぶなと言う方が無理だとそのとき思った。そこにいて、歩みを止めてこちらに顎を振りかざすソレは紛れもなく、オキナワマルバネの雄だったのだ……それも、大歯。立派な大歯。2014年に見たものを遥かに凌駕する大きさ。間違いなく、ぼくが見付けたクワガタでも最大のボリュームだった。こんなクワガタ、見たことない







筆舌に尽くしがたいとはこのことをいうのだろう。ぼくは虫屋ではない。クワガタも小学生に毛が生えた程度の知識しかない。しかし、それでも、マルバネは特別だ。小学生の頃、山口氏の図鑑で見てから憧れた南西諸島での採集。シカクワと並ぶ個人的南西諸島クワガタの一角。沖縄クワガタの王者。2014年からずっと毎日、呪詛のようにその名を呟いてきた存在




それが、今、こうして、ぼくの目の前に、ぼくが見付けられた!!






膝が震える。地に伏した。きっと、彼は間違いなく60mmはあっただろう。いや、65mmは固いかもしれない。そして、運命を呪った。何故、今日が2016年だったのだ……!!





Aもまさかマルバネが、それも初日に、大歯が、作戦開始から一時間も経たずして現れるとは想像もしていなかったようで、ぼそっと呟いた



「マルバネってそんなに珍しいのかよ」と……













その後のことはあまりよく覚えていない。戦略目的の一つである大型ヤンバルオオムカデを狙いに行って常連のアオイシカワの子供を見たり、初めて見たから何気なく採った虫が実は珍品のゴマダラオオヒゲナガゾウムシの♀だったりしたくらいです





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この日、いきなりの大戦果で幸先良いなと思いつつ、これで運を使い果たしたのではないか、という不安に苛まれながら、ぼくは眠りについたのでした……






無論、眠りに就くまでマルバネの写真を見ていたことは言うまでもない……
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